Bさん/私費
自己紹介
大学卒業後、自動車関係の中小企業に就職し、4年間ほど生産管理や営業を経験しました。その後、重工メーカーに転職し、プラント設備の調達(購買)を5年間経験した後に、社内異動となり、現在は倉庫設備を扱う関係会社にて、プロジェクトマネージャーをしてます。
海外経験は、前職(中小企業時代)に、1.5年ほどアメリカに駐在してました。しかし、当時はMBA留学など微塵も考えておらず、ただアメリカ生活を満喫して帰ってきただけでした。
Why Nanyang MBA
まず、MBAを取得しようと思った動機は、下記の3点からです。
- ビジネスを体系的に学び直すため。今後のキャリアを考えた場合、ビジネスをより抽象的な視点で理解し、ロジカルに意思決定を下せるようになる必要があると考えました。それを身に付けるにあたって、MBAが一番有効かと考えました。
- キャリアチェンジするにあたってのQualificationとして。MBAという学位に加えて、英語で学位を取得した実績も日本国内で職を探す際には優位に働くと判断しました。
- 人生の充電期間として。人生で、1年くらいは仕事から離れて自分のキャリアを見つめ直す期間があっても良いと思いました。
さらに、以下の理由により、MBA受験を決めた初期段階からアジアMBAを志望していました。
- アジアのビジネスカルチャーを肌感覚で理解するため。欧米のそれとは少し違うアジアのビジネスカルチャーを授業やクラスメート達との交流を通して理解を深めていきたいと考えました。
- 欧米のMBAと比較してコストが抑えられるため。卒業後に日本での就職を前提とした場合、欧米でMBAを取得した方は、学費を回収する観点から、給与水準が高いコンサルや外資IT企業を志望する傾向にあると耳にしました。年収大幅UPを前提とした大きな初期投資は、将来の選択肢を狭めてしまうと思い、(言い方悪いですが)コスパがいいアジアMBAが適当かと思いました。
以上の理由から、自分の目指すキャリアに関係するData analyticsやAIなど、テクノロジー関係の科目が充実していそうなNangyangとHKUSTを受験し、Nangyangへ進学することにしました。最終的な決めてはインタビューでのフィット感でした。
受験スケジュール
2021年1月迄 日常的に業務で英語を使用していたため、毎日の通勤時間を利用してIELTSやTOEFL向けの英単語や表現を覚えてました。
2021年2月 異動の内示を受け、それを契機としてMBA受験を考え始めました。2020年末に新型コロナワクチンがアメリカで承認されたこともあり、2022年度は対面授業が出来そうだという期待もあってMBA受験を決意しました。
2021年3月 IELTS初受験 OA 6.5取れたことから、アジアMBAの足切りは突破したと判断し、GREの学習を開始しました。
2021年7月 GRE初受験 GMAT換算600点でした。このスコアでは少し心もとないと思い、引き続き勉強を継続することにしました。
2021年8月 初めてNanyangとHKUSTのアドミと面談を実施しました。その際に、IELTSとGREの点数を話したところ、両校とも「スコアに関してはOK」とのコメントを頂戴しました。そこで、スコアに不安が残るものの先手必勝作戦に急遽変更し、1st Roundでの出願に切り替えました。そこからカウンセラー探しをお盆明けから急ピッチで開始しました。
2021年9月 カウンセラーのLaurenさんと契約し、週一でZoom面談を開始しました。内容としては、エッセイの添削とモックインタビューを11月中旬まで実施しました。(アドミからはIELTS・GRE共にスコアの要求は満たしていると回答をもらっていましたが、自分の低GPAも相まって、不安な日々を過ごしており、合格までの2ヶ月間心理的なプレッシャーはかなり大きなものでした。)
2021年10月下旬 HKUSTとNTUに出願、両校とも出願後、おおよそ3日以内ほどでインタビュー通知を受領しました。
2021年11月 下旬にHKUSTのインタビューを実施、10日ほどたった後、合格通知を受領しました。
2021年12月 9日にNanyangとのインタビュー実施し、17日に合格通知を受領して受験を終了しました。
TOEFL / IELTS
受験費用をケチって、IELTSは足切りスコアのOA6.5で受験終了としてしまいましたので、OA7以上を目指す方は他の方の体験記を参考にしてください。
反省点を下記すると、アウトプット科目のスピーキングとライティングに関して、「話の内容」を事前に考えることを疎かにして、本番で力を発揮できませんでした。本番は、ほとんど内容を考える時間はありませんので、どのような主張で書くか、言うかを事前に考えておくことをお勧めします。
(IELTS受験者の間では常識かと思いますが、自分は何もわかってませんでした。。。)
GMAT / GRE
GMATは受験せず、初めからGRE受験を想定して進めました。理由としては、GMATは努力と点数が比例しないとのコメントをインターネットで見たからで、出願締め切りとスコアメイキングの間に挟まれ、なるべく心理的に追い詰められたくないなと思ったのが理由です(ただし、自分はGMAT未受験なのでその真偽は不明です)。
対策としては、インターネットの諸先輩方の記事を参考にし、公式問題集とMagooshというオンラインコースを軸に進めて行きました。それに加え、下記の教材を追加していきました。
・Verbal:Manhattanのフラッシュカード Magooshのフラッシュカード
・Math:ジェイマスのGRE版
IELTSと同じく反省点を下記すると、Mathの完成度が甘かったことです。GREのMathは簡単と聞いており、実際に高度な知識は必要なかったので、ほとんどの勉強時間を高難易度のVerbalに割いていました。そのためMathの詰めが甘くなってしまい、本番はケアレスミスで不完全燃焼に終わってしまいました。GMATも同じかと思いますが、GREでもMathで点数を稼ぐは王道だと思います。あまりMathをUnderestimateしないように気を付けてください。
エッセイ
受験スケジュールでも書きましたが、Laurenさんと契約しエッセイの添削とインタビュー対策をお願いしました。何処の学校も聞いてくるWhy MBA、Long and short term goalsに関しては、早い段階、例えば受験年の夏ぐらいから準備することをお勧めします。アドミと会話する際に頻繁に聞かれるので、これが答えられないと熱意がうまく伝えられません。
推薦状
現職で調達の仕事をしていた時に、一緒に仕事をした中国と台湾の同僚にお願いしました。古風な日系企業に所属していたこともあり、留学に関しては周囲の理解が得られそうもなく、無闇に噂されるのも避けたかったので、日本人への依頼はしませんでした。結果としてキャリアチェンジに理解のありそうな海外の方に依頼し快諾してもらえたのでよかったです。
インタビュー
Laurenさんにもらった想定問題集の回答を考えただけでした。エッセイを書き終えていれば話す内容は自然と出てくると思います。
MBA生活
1学期過ごしてみて、自己認識(Self-awareness)を高められたのが、MBAでの大きな成果でした。NTUのクラスメイトは国籍や出身業界で多様性に富んでおり、リーダーシップのスタイルはもちろん、自己主張の仕方、プロジェクトの進め方など、多少の共通点はあるものの、微妙な違いがあります。彼らと授業内外で交流することによって、自分を相対化して捉えることになり、それが結局として、自己認識を高めることにつながりました。学校としても、それを意図しており、学期早々に受講したリーダーシップや異文化理解の授業(Leading people globally)にて、何が違うのかを認識するための手がかりを与えてくれています。また、聞くところによると、NTUでは他校と比較して、授業でのディスカッションやグループワークが比較的多めにカリキュラム内に含まれており、ソフトスキル面での発展にも力を入れたカリキュラム構成になっているとのこと。実際に、1学期過ごしてみて、その点を一番に実感しています。
メッセージ
私にとって学校選びは、MBA受験の中で、もっとも楽しく、そして、もっとも苦しいプロセスでした。ランキングやテストのスコアだけでなく、将来のキャリアプラン、留学費用、1年制・2年制など、さまざまな側面を考慮して、最終的にNTUに決定しました。1学期過ごしてみた感想としては、その決断は間違っていませんでした。もし、MBAを受験する際に、アジア(シンガポール)・テクノロジー・1年制・コスパといったキーワードを念頭に置いて学校選定をされているのであれば、一度、NTUも候補に入れてみてください。アドミ、卒業生、在校生ともに、気さくに、対応してくれます。