NTU MBA
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Cさん/社費

自己紹介

私は会社より1年間の社費留学を命じられ、Nanyang MBAに留学することになりました。
同じ社費留学の方々の参考になれば幸いです。

Why Nanyang MBA

私の会社では、社費留学を命じられた同僚や先輩方の殆どは欧米の大学院に留学した一方、アジアの大学院、特にアジアのMBAはほぼ前例がなく、社内での差別化に有用と考えました。
こうしたもとで、シンガポールは地理的にも東南アジアの中心に位置し、地域を理解するうえで最適とみられたことから、シンガポールの大学院を志望しました。
中でも、Nanyang MBAは、ランキングの高さに加え、アジアビジネスにフォーカスしたプログラムを提供しているため、私の目的に合致していると判断し、第一志望として受験することとなりました。

受験スケジュール

2015年12月  会社より社費留学の命を受ける

2016年1月    IELTS勉強開始

2016年3月    IELTS受験開始

2016年8月    エッセイ・レジュメ作成開始

2016年9月    IELTS受験終了、GMAT勉強開始、推薦状の頭出し

2016年10月  MBA留学イベントでNanyang MBAのアドミッションと面談、推薦状の正式依頼

2016年11月    GMAT受験終了

2016年12月  2nd Round出願

2017年1月   インタビュー、数日後にオファー

TOEFL / IELTS

TOEFLとIELTSはともにかなり癖の強い試験なので、
1. 併願先も含めた大学側の評価(一般的にはTOEFL100≒IELTS7.0とされるが、大学によって扱いが異なる。
例えばNanyangではTOEFLだと100が求められるが、IELTSでは6.5でよい<2016年時点>。
また、英国の大学院はごく一部を除きTOEFLでの受験は不可。)、
2. 実際に問題を解いてみてどちらが取り組みやすいか、を考慮したうえで、どちらかに絞って勉強することをお勧めします。

多くの日本人には、リスニングとリーディングがペーパー試験であり、スピーキングが対人となるIELTSの方が取り組みやすいといわれます。
一方、IELTSはTOEFL対比でライティングがかなり難しいため、ライティングが苦手な場合はTOEFLの方が高スコアを得やすいと思います。
私は英国の大学院を併願するためにIELTSに絞って勉強しましたが、個人的にはライティングが容易なTOEFLの方が向いていたため、スコアメイクにはかなり苦労しました。

私が実施した対策としては、元IELTS試験官が運営するielts-simon.comというサイトでほぼ毎日更新されるTipsを参考にIELTSの傾向は理解したうえで、過去問を解くというものでした。
反省点としては、ライティングは第三者の添削・コメントなしで上達することは難しかったようであり、予備校か通信添削講座を活用すべきだったと思います。

なお、IELTSのスピーキングは同じ問題を何度か使いまわしているようです。
実際に私は5月に受けたものと全く同じ問題を8月に受けたほか、周囲でも同じ経験をした人がいました。
スピーキングの試験が終わったら、記憶が新しいうちに問題のメモを残すとともに、次出題されたらどう答えるかをシミュレーションしておくことをお勧めします。

GMAT / GRE

GMATはOfficial Guideをどれだけこなせたかが勝負になると思います。
周囲で高スコアを得た方々をみると、最低2周はしているようです(1周もしていない私は酷いスコアでした)。

Mathについては、出題される問題自体はそこまで難しくはない(中学3年〜高校1年生の数学レベルといった感触)ものの、数学関連の英単語に慣れる必要があります。
また、英語が苦手な日本人にとってVerbalはかなり難しく、Mathでの取りこぼしは致命傷になりかねないので、舐めずに対策をとることをお勧めします。

Verbalについては、出題される英単語がTOEFL/IELTSよりも数段難しく、はじめのうちは全く内容が理解できないことも珍しくありません。
Official Guideをこなす中で、知らない単語を丁寧につぶしていく姿勢が求められます。
また、Verbalは時間制限がかなり厳しいので、日々の学習の中でもタイムマネジメントを確りと意識する必要があります。

なお、IRとAWAについては、受験プロセスにおいてどれだけの重要度があるのかはよくわかりません。
私は全出願候補先のアドミッションに確認してみましたが、返信のあったすべての先から、「最低必要スコアはない」(2016年時点)との反応が得られたので、対策は後回しにしました(結果的に何もやってません)。

IRはMathとVerbalの中間のような試験と言われますが、求められる計算力や単語力はMath、Verbalよりも低いと思われるため、双方の対策を確りとしていれば、敢えて個別の対策をする必要はないと思います。
AWAについては、私はライティングが苦手なので相当低いスコアになりましたが、一般的にはTOEFL/IELTSのライティングを確りと対策していれば、それなりのスコアはとれるそうです。

エッセイ

私が書いた内容は、これまでの経験 → 今後関わっていきたい業務の説明 → そのために足りない経験・知識 → よってMBAへの留学、中でもNanyang MBAへの留学が必要であるといったオーソドックスなものです。
1つ社費ならではの点を付け加えると、大学側は生徒に対して転職や起業などを通じたキャリアアップ(ひいては大学のランキングアップへの貢献)を期待している中で、派遣元企業に戻る(=上記の点を期待できない)社費留学生は、いかに大学に貢献できるかを明確に記載する必要があると思います。
私は、派遣元で相当にニッチなセクションを長く担当していたので、「通常触れる機会のない視点をシェアできる」といったことを書き加えました。
なお、英文については、上述のとおりライティングに不安があるため、ほぼ外国人コンサルタントに任せました。

推薦状

社費留学なので、推薦者の確保は特段苦労しませんでした。
ただ、多くの日本人は、海外大学院の受験において望ましい推薦状(≒とにかく被推薦者を褒めちぎるもの)を書くことに慣れていないため、内容について事前にすり合わせておくことをお勧めします。
また、英語に馴染みのない方に依頼する場合は、打合せ → 推薦者に日本語で起案して頂く → 打合せ → 英訳業者に依頼 → 推薦者に英文バージョンをご確認頂く → 推薦者に送信して頂くといった手順になるため、お願いしてから完成するまでにそれなりに時間を要します(私の時は2か月ほどかかりました)。
余裕を持った作業を心掛けましょう。

インタビュー

インタビューは年明けすぐにSkypeでの実施となりました。
もっとも、私は10月の留学イベント(QS主催で大学の担当者と一対一で面談を行うもの)において既に自分を売り込んでいたためか、意思確認の質問を受けただけで15分ほどで終了しました。

対策としては、MBA受験関連のTipsが掲載されているvince-prep.comというAGOSの名物コンサルタントが運営するサイトをくまなくチェックし、インタビューでよく聞かれる質問(Why MBA?、Why Nanyang?、What is your strong points/ weak points?等)に対する自分なりの回答案を作成したうえで、自然に話せるよう毎日練習しました。
細かい点としては、事前に用意したスクリプトの棒読みとみなされると印象が悪いそうなので、完璧なスクリプトを用意するのではなく、「こういう内容を答える」程度の塊の用意に止め、アドリブで繋げることを練習段階から意識しました。

なお、留学イベントについては、可能な限り出席されることをお勧めします。
アドミッションと会話した内容はエッセイのネタとして活用できるだけでなく、アドミッションとの個人的なコネクションを作っておくと、後々のプロセスで大きな意味を持ってきます。
例えば、私の場合だと、アドミッション側から「出願前にレジュメをチェックさせてほしい」との連絡があったため、先方にレジュメを送付したところ、何点かコメントを貰うこともできました。
また、上述のとおり、インタビューでは「君とは日本で色々と話したから改めて確認することはあまりない」との言って頂けたことから、不安だったインタビューはほぼ免除された形でした。
留学準備中は時間が足りないため、各種イベントへの参加は億劫になりがちですが、個人的には勉強時間を多少犠牲にしてでも出る価値があると考えています。

MBA生活

早いもので留学期間の半分近くが経過してしましたが、ほぼすべての授業で課されるグループワークなどを通じて、18か国から来た80人程度のクラスメイトと濃密な時間を過ごすことができました。
各々癖のある英語を話す中で、英会話に慣れていない日本人としては辛い瞬間も多々ありますが、これから海外に打って出ることを考えれば、これほどいい訓練の場はないと思います。

メッセージ

MBA受験は、日本でいえば大学受験よりも就職活動に近いと感じました。
仕事と同時並行での留学準備、特に語学試験のスコアメイクは、今思い返してもとにかく大変でしたが、多少見栄えの悪いテストスコアしかとれなかったとしても、イベントへの出席、キャンパスビジット、問い合わせメールなどでアドミッションに直接熱意を売り込めればなんとかなると思います。
皆さんとお会いすることを楽しみにしております。