NTU MBA
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Aさん/私費

はじめに

2015年の2月に救急車で病院に担ぎ込まれて以来、今のうちにやりたかったことをしなければならないと強く思い、5年勤めた銀行を辞めました。
やりたいことが複数あったため、英会話学校に通いながら今後のことを考えていましたが、より大きな仕事に携わりたい、友人をはじめ様々な人々とビジネスに関わりたい、その他諸々のビジョンを勘案してMBA進学を選択しました。

Why Nanyang MBA

当初は同じく1年で学位取得できる英国MBAを検討していましたが、秋頃にシンガポールへ旅行したのをきっかけに、その活気と暮らしやすさに惹かれ、シンガポールのMBAの検討を始めました。
最終的に、クラスメイトのダイバーシティーの高さとカリキュラムの真剣さから、Nanyang Technological University(以下、NTU)のMBAプログラムを第一志望としました。

受験スケジュール

2015年5月    英会話教室に通い始める

2015年9月      GMAT、IELTS受験開始

2016年1月      エッセイ執筆、推薦状依頼開始

2016年2月      GMAT、IELTS受験終了

2016年3月      インタビュー、合格通知受領

TOEFL / IELTS

スピーキングを実際の人間相手に行える点を重視して、IELTSを選択しました。リーディングとライティングは市販の対策本を使って数をこなしてスピードを上げました。
英語対策としては特に試験を念頭に置かずに英会話教室とSkype英会話をとにかく利用しました。
これらがスピーキング・リスニングはもとより、全般的な英語力の向上に役立ったと思います。

GMAT

英語の公式対策本と市販の日本語対策本をやりこみました。
多くの人のパターンと同じですが、Mathはそこそこに、Verbalの文法問題に特に集中しました。
最後まで高得点には至らなかったので、GMATはもっと余裕を持って、留学の何年か前から進めておいても良かったかなと思います。

エッセイ

一般的なエッセイの書き方本を参考にして、自分は何者なのか、なぜMBAに進学しようと思ったのか、なぜNTUは自分を合格させるべきなのかをよく考えて書き上げました。
熱意が伝わるようにストーリー性やある程度のダイナミックさはあるといいと思いますが、極度に自分に酔った文章になっていないかどうかは気をつけました。

誤字脱字や文法ミスだけは避けようと(内容へは言及しない)添削業者を利用しましたが、修正後の文章の中で自分に理解できないほど高度な部分については、元の自分の文章に戻しました。
ケアレスミスは予防すべきですが、本物の自分を審査してもらうことが必要です。

推薦状

前職場の推薦者の方々には、5月の段階から「もしかするとMBAを受験するかも」と伝えており、それ以降ほぼ毎月のペースで連絡を取ってはMBA受験の確度から推薦文の書き方、考え方まで伝えて来ました。
しかし、いざ執筆段階となった1月末に日銀によるマイナス金利導入が発表され、銀行員である前職場の方々からは「書きたいのは山々だが、家のPCにさえ触れられない。何日も家に帰れないほど忙しいんだ」と言われ、突如危機的状況に陥りました。
最終的には期限ギリギリに間に合いましたが、相当肝を冷やしました。メインの推薦者の方々の他に、緊急時に頼るあてがあるといいかもしれません。

インタビュー

面接はSkype経由でした。よくある質疑応答から最近の(他所の)難問奇問までインターネットや書籍からかき集めて、分類して、自分なりの回答を練っておきました。

また、エッセイに書いた内容と照らし合わせて、整合性がとれているかはきちんと確認しておくといいと思います。
MBAコースに進学して学びたい理由が仮にAとBのふたつあった場合、エッセイでAと言い面接でBと言うと、それが真実でも面接が進めづらくなると思います。
面接で会う教授やアドミッションオフィスの方とは学期中で何度でも会う機会があるので、込み入った話は入学後にしたら良いと思います。

あとはドメドメ日本人の方なら、面接の日まで英会話教室やSkype英語など、英語を喋る口の筋肉を維持し続けるのはおすすめします。
慣れない英語面接でも、口が勝手に英語を喋ってくれればこちらのものです。

MBA生活

6月後半からの英語準備コースに始まって、10月末にTrimester 1を終えました。お金を払ってまでなんという苦行をしているのだろうというくらいハードな毎日です。
ファイナンスやアカウンティングを含め、ほぼすべての科目でグループワークが必要で(単独では提出できません)、かつグループでのプレゼンテーションが必要という構成に苦しめられますが、MBAを目指すうえでの対人能力醸成という点で納得がいきます。
科目ごとに別のチームを編成するので、いろんな国から来た多種多様な人々とすぐに仲良くなれると思います。
ほぼすべてのクラスメイトがあなたと仲良くする準備ができているので、おおむね心配無用です。

学内の寮に住んでいますが、あまりに広大なキャンパスのため、通常の移動にはバスを利用します。
食事は主にキャンティーンと呼ばれる学内の食堂で、非常に低価格で食べることができます。
街の中心部からは最も遠い大学ですが、都心部までは安価なタクシーを利用すれば30分ほどで出ることができます。
また、バスで20分の最寄りのBoon Layという駅の周りは、複合商業施設が充実していて、買い物から贅沢な外食まですべて揃っています。

メッセージ

GMAT対策もIELTS対策も完全自己流なので、どこの予備校が良いとかといった情報は持っていないのですが、あまり尻込みしすぎる必要はないのではないかと思います。
NTUのアドミッションオフィスの方々はMBAプログラムの向上について真剣に取り組んでおられるので、審査を外部の試験の点数に丸ごと依存してしまうことはないと思います。

スコアも大事ですが、エッセイや面接で自分の真剣さやタフさ(大事です! MBAコースは濃密な1年間のハードワークです)、そして自分がMBAを取ることで社会にどのような良いインパクトが与えられるかを伝えられるかのほうが重要だと思います。
NTUの教授陣・大学オフィスは、利他的な人々を後押ししたいと願っているような方々です。

エッセイや面接で大学に伝えたことは、在学中の学習の指針になると思います。
MBA修了後に活躍できるように、またMBAコース中に望んだ以上の学びができるように、通過点としてのMBA受験にトライして頂ければと思います。